キミとの距離が、縮まらない。
「はーーい、イッシーせんせ。私は、黒田さんがいいと思いまぁす!」
ハイ、あたったー。
クラスの中で一番ハデな見た目の松本さん。
元気に手を挙げて彼女が指名したのは私、黒田澪菜。
「黒田…?黒田は1学期にクラス委員をしてくれてたから、2学期は何もしなくていいと思うが?」
「えー?だって黒田さん、文化祭の委員、やりたいって言ってたもんねえ?」
「黒田、本当なのか?」
先生はそう言って、心配そうに私を見てくれた。
「あ、ええっと…」
どうしよう。松本さんがどんな顔してるか、怖くて見れない。
松本さんが座っている方面から、視線を感じる…。
――む、むりっ!耐えきれないっ!
「…はいっ!や、やります!」
パラパラという手を叩く音が教室の中で静かに響いた。
――あーあ、また引き受けちゃった…。