キミとの距離が、縮まらない。

松本さんに視線を戻すと、言った通りでしょ?と言わんばかりの表情でこう言った。


「へー、クラスメイトを疑うんだー?ちゃんと在庫確認した上でお願いしてるのにー。」


妙に突っかかる言い方。


「…分かった。とりあえず1缶買ってくる。」


「何いってんの。2缶は要るわよ。急いでるから30分以内に帰ってきてねー。よろしく~」


そう言って松本さんは後ろでクスクス笑う女子に混ざって作業を再開した。


溜息を堪えて、財布を持って靴箱に向かう。


ホームセンターまでは、歩いて向かえば片道20分はかかる距離。


――30分で戻るって無理だよ。松本さんも、分かってるだろうに。でも、怖くて言い返せなかったな。


最近、やたら松本さんの絡みがキツイ。


それは文化祭の準備中以外でも感じていた。


――私が長谷川くんと、よく話すからかな。


本人の意図はわからない。ただ、あまりいい気分ではなかった。

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