キミとの距離が、縮まらない。

私がちょっとシュンとしてると…


「黒田さんがやるなら、男子の委員、俺やりますよ。」


そう言って手を挙げたのは、クラスの人気者の長谷川くん。


「「えっ!?」」


ほぼ全員の女子が、一斉に長谷川くんを見た。


先生は、長谷川くんが手を挙げてるのを見て嬉しそう。


「お、長谷川やってくれるんかー。前向きでいいぞ。他、男子でやるってやついないなら、長谷川で決定するぞー?」


結局、他の男子が手を挙げることはなく。


先生は、黒板の『企画委員』の文字の下に『黒田』『長谷川』って並べて書いた。


「えー?長谷川くんがするなら、立候補すればよかったー」


「ねー。私も長谷川くんと同じ係がよかったー」


そんなヒソヒソ声が聞こえてくる。


先生は、私と長谷川くんを前に呼んで「よし、じゃあ企画委員を引き受けてくれた2人に拍手ー」と言って、みんなの拍手を誘った。


「じゃ、さっそく文化祭で何するかだな。30分くらいでササッと決めてくれ。」


そう言うと、先生は壇上から降りた。

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