キミとの距離が、縮まらない。


長谷川くんは、私を見てにっこり笑いながら小さい声で「よろしく」と言った。


慌てて私もペコッと頭を下げて返す。


長谷川くん、笑顔がキラキラしてる。星が飛んでるようだわ…。


「俺、進行やるね。黒田さん、字キレイだからどんどん書いていってもらえる?」


「う、うん。」


――私の字、キレイって言われちゃった。


そう言われると何だかチョークを持つ手に力が入る。


長谷川くんは正面を向くと、元気よく話し始めた。


「よし!じゃあ早速だけど、文化祭でなにするか、決めるか。何か案ある人ー?」


「なんでもいいのー?」


「とりあえずいいんじゃね?駄目なんて言わせねー。俺が絶対みんなの案通す!!なんて。」


「かっけー、長谷川!!」


「まぁとにかく、どんどん案出してー」


「はーい!喫茶店やりたいでーす」


「お化け屋敷!」


「映画製作ー」


「占いー」


は、はや!!長谷川くんが進行すると、すごいスムーズに進むなぁ。

< 4 / 63 >

この作品をシェア

pagetop