キミとの距離が、縮まらない。
長谷川くんは、私を見てにっこり笑いながら小さい声で「よろしく」と言った。
慌てて私もペコッと頭を下げて返す。
長谷川くん、笑顔がキラキラしてる。星が飛んでるようだわ…。
「俺、進行やるね。黒田さん、字キレイだからどんどん書いていってもらえる?」
「う、うん。」
――私の字、キレイって言われちゃった。
そう言われると何だかチョークを持つ手に力が入る。
長谷川くんは正面を向くと、元気よく話し始めた。
「よし!じゃあ早速だけど、文化祭でなにするか、決めるか。何か案ある人ー?」
「なんでもいいのー?」
「とりあえずいいんじゃね?駄目なんて言わせねー。俺が絶対みんなの案通す!!なんて。」
「かっけー、長谷川!!」
「まぁとにかく、どんどん案出してー」
「はーい!喫茶店やりたいでーす」
「お化け屋敷!」
「映画製作ー」
「占いー」
は、はや!!長谷川くんが進行すると、すごいスムーズに進むなぁ。