キミとの距離が、縮まらない。
――長谷川くんも、私との距離が縮まることなんてないって思ってたんだ。
「でも今日は俺…本当に情けなくて。好きな子が嫌がらせされるの、止めれなかったから。俺がもっとフォローしてたら、こんなことにはならなかったかもしれないのに…。だから、俺の方こそ、ごめん。」
「長谷川くん…私…」
「…ん?」
言葉に詰まる私を、長谷川くんは優しい表情で見つめる。
長谷川くんが、私を好き…?
まだ信じられない。
でも…嬉しい。
気持ち、伝えてみてもいいのかな…?
「私も、長谷川くんのこと…」
そう言いかけた途端、ふと不安がよぎった。
地味で、冴えない、クラスメイトに嫌われるような人間が、長谷川くんのことを好きだってみんなに知られたら?
それこそ、長谷川くんに迷惑がかかる。