キミとの距離が、縮まらない。
私達はしばらく黙っていたけど、長谷川くんの方から沈黙を破った。
「黒田さん。正直な気持ち、聞かせて?なんでもいいから。黒田さんの気持ち、全部聞きたい。」
「…なんでもいいの?」
「うん、なんでも。」
私が長谷川くんの方をチラッと見ると、長谷川くんは顔を少し赤くしたまま、にっこり笑った。
何から言おうか悩んでいると、長谷川くんが「じゃあ、俺から話そうかな。」と言って話してくれた。
「昨日も言った通り、俺は黒田さんのことが好きだよ。フラれたのかもしれないけど、まだ諦める気はない。」
びっくりして長谷川くんを見上げると、長谷川くんも私を見下ろして、言葉を続けた。
「でも俺、成績はいつも学年の真ん中あたりだし、字は下手だし。挙げ句、昨日は好きな子1人、守れなかったし…。このままの俺を、黒田さんに受け入れてもらって、その上好きになってもらうなんて、簡単に叶うはずないって思ってる。だから…」
そう言うと、柔らかく笑って言葉を続けた。
「いつまで時間かかるか分かんないけど、俺、黒田さんに好きになってらえるように頑張るよ。俺が言いたいのはそれだけ。」