キミとの距離が、縮まらない。

じゃあ次は黒田さんの番、と言われて、何を言おうかと一瞬悩んだ。


正反対な私達。でも、そんな距離感を、長谷川くんは越えようとしてきてくれている。


――正直に話してくれたんだから、私も正直に話さなきゃ。


そう思い、体の前で組んでいた両掌に、ギュッと力を込め、目線を落としたまま、思っていることを口にした。


「…私は長谷川くんのこと、尊敬してるよ。いつもキラキラしてるところとか、周りの人に好かれて、いつもみんなの中心にいるところとか。長谷川くん、すごいなっていつも思ってる。だから、こんなに冴えない私は、長谷川くんと不釣り合いだなって思って…。長谷川くんの隣にいるべき存在じゃないんだ、ってどうしても思っちゃう。」


「俺は黒田さんのこと、冴えないなんて思ってない。…その尊敬の気持ちって、好きっていう気持ちに変わる可能性、ある…?」


長谷川くんの声のトーンが落ちたので、見上げると、長谷川くんは真剣な眼差しで私を見ていた。
少し悲しげな顔になっている気もする。

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