キミとの距離が、縮まらない。
長谷川くんのおかげで話し合いはどんどん進み、30分かからずに、私達の出し物は「お化け屋敷」に決まった。
次の日にあった企画委員同士のミーティングでも、私達の案はすんなり受け入れられ、長谷川くんと一緒にホッとしながらミーティングのあった教室を後にする。
「無事、みんなの案が通ってよかったなー!」
「うん、よかったね。昨日の話し合いも、スムーズに進んだし。長谷川くんのおかげで。」
「それ言うなら、黒田さんの書記もあってこそだよ。ありがとう。」
「いやいや、私なんか、全然…」
そんな話をしているうちに、教室に着いた。
下校時刻はとっくに過ぎていて、教室には誰もいない。
「さて、ちょっとだけ打合せするかー。予算の内訳を考えなきゃな。」
そう言うと、長谷川くんは私の前の席にある椅子に跨って座った。
――ちょっ……近くない!?
長谷川くんの顔が、数十センチ先にある。
こんな至近距離で長谷川くんと話すなんて、緊張してしまう…。