キミとの距離が、縮まらない。

「……」


「……」


「…あ、やっぱりヒドい?」


「…いえ、そんなコトは…」


「黒田さん、肩震えてるって。正直に言ってよ。」


「ごめ…あの…とても芸術的でいいかなと…」


「いや、美術じゃないんだから。なに、ピカソもびっくりな芸術的な字ってこと?」


長谷川くんが半分笑いながらそんなこと言うから、私も思わず笑ってしまった。


「ごめんね、笑っちゃって…。」


「ホントだよー。失礼だなー黒田さん。」


「あははっ、ごめんね。…じゃあ、ちょっとだけアドバイスとかしちゃってもいい?字を書くときのコツと言うか。」


「マジ!?ありがたい!是非お願いします!」


「うん。あのね、横線を書くときは、少し右肩上がりで書くと、それっぽく見えるよ。長谷川くんの字って、右肩上がりだったり下がってたりで、バラバラだから、そこを揃えるといいかも。」


「なるほどー!他は?」


「あとは、書き順かなー。書き順を守って書くと、全体的にバランス取りやすくなると思う。」


「そうなのか!書けるとこから書いてたから、その視点は新鮮だなー!」

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