今日も君とアイスクリーム
「いや。口の端にアイスがついてるなと思って」
「えっ!」
慌ててアイスを指で拭うと、航はためらいなく私の指をぺろりと舐めた。
「うん、美味しい」
「わた……っ!」
もう!いきなりそんなことしないでよ、航。
心臓に悪いじゃない。
*
「あっつー」
アイスを食べ終え、帰路につく私たち。
アイスを食べて冷えていたはずの身体も、外をしばらく歩いていると瞬く間に熱くなる。
「暑いし、汗かいてベタつくし。これだから夏は嫌い。早く涼しくなれば良いのに」
「そうか?俺は好きだけどな、夏。あそこのアイスを食べられるのも夏だけだし」
そっか。秋になると、お店も休業してしまうから。航とこうして来ることもなくなるのだと思うと、寂しいな。
それよりも航がお店のアイスを全制覇してしまったら、もうここに来る理由もなくなる。
そう考えると、あと何回航とお店に来られるのだろう。