今日も君とアイスクリーム


「いや。口の端にアイスがついてるなと思って」

「えっ!」


慌ててアイスを指で拭うと、航はためらいなく私の指をぺろりと舐めた。


「うん、美味しい」

「わた……っ!」


もう!いきなりそんなことしないでよ、航。
心臓に悪いじゃない。



「あっつー」


アイスを食べ終え、帰路につく私たち。

アイスを食べて冷えていたはずの身体も、外をしばらく歩いていると瞬く間に熱くなる。


「暑いし、汗かいてベタつくし。これだから夏は嫌い。早く涼しくなれば良いのに」

「そうか?俺は好きだけどな、夏。あそこのアイスを食べられるのも夏だけだし」


そっか。秋になると、お店も休業してしまうから。航とこうして来ることもなくなるのだと思うと、寂しいな。


それよりも航がお店のアイスを全制覇してしまったら、もうここに来る理由もなくなる。

そう考えると、あと何回航とお店に来られるのだろう。

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