カマイユ~再会で彩る、初恋


ボーっとする頭で寝室のドアをじーっと見据えていると、カチャッと音を立ててドアが開いた。

「おっ、起きてるな」

薄暗い部屋だけど、それほど広くないから視線がバチっと合ってしまった。

「先生、……片付けさせてごめんなさい」
「いいよ、気にするな。それに、こういう時は『ごめんなさい』じゃなくて『ありがとう』だよ」
「っ……、ありがとうございます」
「ん」

ベッドサイドまで歩み寄った先生が、優しく頭を撫でる。
先生に頭を撫でられると、どうしてこうもきゅんとするのだろう。
好きな人だからなのかな。

「隣りいい?」
「……はい」
「んじゃあ、お邪魔します」

くるりと反対側に回った先生が、私の隣りに横たわった。

「おぉっ、寝心地いいな、このベッド」
「……ですよね?」

何年か前にフライトで宿泊したホテルのベッドに惚れて、ホテルスタッフに問い合わせたほどだ。
熟眠できて、歪んだ骨格が強制されるような、体に負荷がかからない造りに惚れ込んだ一品。

「でも、何でダブル?」
「っ……寝相が悪いのもありますが、寝る時くらいノンストレスでいたいじゃないですか」
「彼氏と寝るためじゃなくて?」
「へ?……ち、違いますよっ!」
「へぇ~」
「本当ですよ?……今まで千奈と後輩以外に泊めたことないですし」
「……フゥ~ン」
「本当なのに……」
「別に疑ってるわけじゃないよ。それに俺の知る限り、寝相は良い方だと思うけど」
「っっ…」

クスっと笑った先生の右手が、スーッと首下に滑り込んで来た。

「じゃあ、初めてゲットってことだな」
「っっ~~~っ」

抱き寄せるように腕が折り曲げられ、一気に距離が詰まった。

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