カマイユ~再会で彩る、初恋
ポートレート
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「お風呂、気持ちよかったです」
「勝手に入浴剤入れちゃったけど、大丈夫だった?」
「はいっ」
「簡単につまみ作っといた」
「わぁ~、ありがとうございます!美味しそう~」
淡い水色の部屋着姿で現れた彼女は長い髪を緩く纏め上げ、火照った体を少し冷ますように手団扇をしながらソファに腰を下ろした。
V字に開かれたシャツから覗く鎖骨にドキッとさせられ、ショートパンツの裾から覗く素足が艶めかしく俺を煽る。
お酒が一滴も入ってなくても、既に彼女の色気に酔ってしまいそうだ。
「さっき、メールが来てたっぽいよ」
「え、ホントですか?」
ソファの端に置いてあるバッグの上に置かれたスマホを手に取り、彼女の動きが一瞬停止した。
「佑人からです」
「……渡瀬?」
「はい。……海外赴任が決まったみたいで、見送りに来いって」
「へぇ~、海外赴任かぁ」
あえて『プロポーズ』のことは口にせず、渡瀬が何の目的で連絡して来たのかは知ることができた。
プロポーズしたけれど、仲のいい友達のままという選択をしたのだろう。
同じ土俵に立っているわけじゃない。
俺はまだ、彼女に何も伝えてないのだから。
先にラストステージに進んだ渡瀬が、ラスボスに挑戦したけれどクリアできなかっただけ。
俺はそのラストステージにさえ進んでない。
挑む勇気はあるだろうか?
装備が不十分な気もするし、経験値がまだ三か月と少ない気もする。
けれど、挑戦権自体は既に手元にあるような気もするし、あとは戦略を練ってトライあるのみか。
「このトマト、甘ぁぁぁ~いっ!」
「取り寄せたフルーツトマトだよ」
「えっ、取り寄せたんですかっ?!」
「トマト好きだろ」
「はいっ、めっっっちゃ好きです!」
「お風呂、気持ちよかったです」
「勝手に入浴剤入れちゃったけど、大丈夫だった?」
「はいっ」
「簡単につまみ作っといた」
「わぁ~、ありがとうございます!美味しそう~」
淡い水色の部屋着姿で現れた彼女は長い髪を緩く纏め上げ、火照った体を少し冷ますように手団扇をしながらソファに腰を下ろした。
V字に開かれたシャツから覗く鎖骨にドキッとさせられ、ショートパンツの裾から覗く素足が艶めかしく俺を煽る。
お酒が一滴も入ってなくても、既に彼女の色気に酔ってしまいそうだ。
「さっき、メールが来てたっぽいよ」
「え、ホントですか?」
ソファの端に置いてあるバッグの上に置かれたスマホを手に取り、彼女の動きが一瞬停止した。
「佑人からです」
「……渡瀬?」
「はい。……海外赴任が決まったみたいで、見送りに来いって」
「へぇ~、海外赴任かぁ」
あえて『プロポーズ』のことは口にせず、渡瀬が何の目的で連絡して来たのかは知ることができた。
プロポーズしたけれど、仲のいい友達のままという選択をしたのだろう。
同じ土俵に立っているわけじゃない。
俺はまだ、彼女に何も伝えてないのだから。
先にラストステージに進んだ渡瀬が、ラスボスに挑戦したけれどクリアできなかっただけ。
俺はそのラストステージにさえ進んでない。
挑む勇気はあるだろうか?
装備が不十分な気もするし、経験値がまだ三か月と少ない気もする。
けれど、挑戦権自体は既に手元にあるような気もするし、あとは戦略を練ってトライあるのみか。
「このトマト、甘ぁぁぁ~いっ!」
「取り寄せたフルーツトマトだよ」
「えっ、取り寄せたんですかっ?!」
「トマト好きだろ」
「はいっ、めっっっちゃ好きです!」