カマイユ~再会で彩る、初恋
普通はこういう話をしたら、嫉妬したりして機嫌が悪くなるのもだと思っていた。
七歳も年上だからのかな。
先生が大人すぎるのか、経験値の違いなのか。
クールに私の話を聞いている。
「じゃあ、何で別れたの?」
「……束縛が凄くて。一日に五十通以上メールが来て。それも短い軽い感じじゃなくて、長文の顔文字とか絵文字もない感じで。いつどこで誰とどんなことしてるのか報告しないとすぐに電話がかかってくる感じだったんですよ」
「怖っ…」
「三か月経った頃からストーカーっぽくなって来て、佑人と隆に相談して、別れるようにし向けて貰いました」
「その後、その彼大丈夫だったの?」
「二か月くらいはしつこかったですけど、次のターゲットが出来たみたいで何とか難を逃れた感じですかね」
「大変だったな」
ポンと頭を一撫でされる。
あの時、先生に相談することができたら、どうなってただろう?
かりそめでも、彼氏になってくれただろうか?
「四人目は?」
本当に全部聞く気だ。
もしかして、酔ってるのだろうか?
けれど、まだ一缶目だよね?
「四人目の彼はどんな子だったの?」
「……同じ会社の人です」
「おっ、オフィスラブ?」
「う~ん、ちょっとそのイメージとは違うかもしれませんけど、一応オフィスラブってことなんですかね?」
「ASJの操縦士?」
「あ、いえ、整備部の人で訓練の時に知り合って、同僚を通して飲みに誘われて」
「イケメン?……優しかった?」
「……イケメンの部類に入るとは思いますけど、性格は物凄く難アリでしたね」
「は?……そんな奴と付き合ったの?」
「最初は優しかったんですよ、とっても」