カマイユ~再会で彩る、初恋
*
シャワーを浴びて、一息つく。
気持ちよさそうに寝ている彼女を見下ろし、何とも言えない感情に駆られた。
目が覚めたら、強姦魔だと詰られるだろうか。
変態だと罵倒されても構わない。
朝が来れば、もうこんな風に間近で見ることは出来なくなるのだろうから。
ずっと見て見ぬふりしていた感情がわき起こる。
『教え子』だからと、押し殺して閉じ込めて。
十年前に封印したはずの感情が蘇って来る。
「今だけ……」
もう二度と触れることはないと思ってたのに。
触れてしまえば溢れ出す感情を鎮める方法なんて知らなくて。
十年前にどうやって封印したのかさえ、思い出せない。
静かにベッドに横たわり、規律よく寝息を立てている彼女を抱き寄せた。
触れる全てが柔らかくて、細すぎるほど肩が小さい。
折れてしまうんじゃないかと思うほどに華奢な腰も。
今という時間が永遠に続けばいいのに。
艶々とした髪。
くるんと巻かれた睫毛。
ぷっくりとした唇。
ずっとずっと触れたかったそれらが、今は自分の腕の中にある。
目覚めないように呼吸音に合わせるようにそっと頭を撫でる。
「これ、取ったら起きるか……?」
左側にハーフアップされた髪をゆっくりと解く。
サラサラの髪質のようで、重力に従うようにサラッと流れた。
左手薬指に指輪は嵌めてないし、していた形跡もない。
結婚していてもおかしくないが、誰のものにもなっていて欲しくないと思ってしまう。
『ぅとっ、……かえ…ろッ?』
そういえば、誰かと勘違いしてたな。
恐らく、渡瀬 佑人だろう。
中学部から一緒で、いつも一緒にいるのを毎日のように見ていた。
それでも、毎日のように俺の元に来てくれている間は、一瞬でも優越感に浸れたんだ。
シャワーを浴びて、一息つく。
気持ちよさそうに寝ている彼女を見下ろし、何とも言えない感情に駆られた。
目が覚めたら、強姦魔だと詰られるだろうか。
変態だと罵倒されても構わない。
朝が来れば、もうこんな風に間近で見ることは出来なくなるのだろうから。
ずっと見て見ぬふりしていた感情がわき起こる。
『教え子』だからと、押し殺して閉じ込めて。
十年前に封印したはずの感情が蘇って来る。
「今だけ……」
もう二度と触れることはないと思ってたのに。
触れてしまえば溢れ出す感情を鎮める方法なんて知らなくて。
十年前にどうやって封印したのかさえ、思い出せない。
静かにベッドに横たわり、規律よく寝息を立てている彼女を抱き寄せた。
触れる全てが柔らかくて、細すぎるほど肩が小さい。
折れてしまうんじゃないかと思うほどに華奢な腰も。
今という時間が永遠に続けばいいのに。
艶々とした髪。
くるんと巻かれた睫毛。
ぷっくりとした唇。
ずっとずっと触れたかったそれらが、今は自分の腕の中にある。
目覚めないように呼吸音に合わせるようにそっと頭を撫でる。
「これ、取ったら起きるか……?」
左側にハーフアップされた髪をゆっくりと解く。
サラサラの髪質のようで、重力に従うようにサラッと流れた。
左手薬指に指輪は嵌めてないし、していた形跡もない。
結婚していてもおかしくないが、誰のものにもなっていて欲しくないと思ってしまう。
『ぅとっ、……かえ…ろッ?』
そういえば、誰かと勘違いしてたな。
恐らく、渡瀬 佑人だろう。
中学部から一緒で、いつも一緒にいるのを毎日のように見ていた。
それでも、毎日のように俺の元に来てくれている間は、一瞬でも優越感に浸れたんだ。