カマイユ~再会で彩る、初恋
*
シャワーを浴び終え、冷蔵庫から緑茶のペットボトルを取り出す。
火照る体を冷ますように歩きながら冷茶をごくごくと飲み、茜はリビングテーブルの上に置いておいたスマホを手に取る。
「んっ?!!!」
矢吹先生からメッセージが届いていることに気付き、口に含んだお茶を拭き溢しそうになった。
『今日は凄く楽しかった。予定が分かったら連絡して。夜ならいつでも大丈夫だし、土日なら昼でも平気だから』
本当に夢じゃなかった。
一時間半ほど前の出来事が鮮明に蘇る。
この画面、スクショしとかなきゃ。
これまで先生から送られて来たメッセージは全てスクショした上で、保存してある。
それらを見ているだけで幸福感に満たされる。
仕事で初めて乗務した日やチーフパーサーの試験に合格した時よりも、嬉しいかもしれない。
仲間や同僚という大まかな括りの中で得られる特別よりも、たった一人の人から与えられる僅かな希望に満たされる。
自分の中でこんなにも先生の存在が大きなものなのだと、初めて知った。
『今日はお仕事でお疲れのところ、時間を作って頂きありがとうございました。凄く素敵なお店で先生と過ごせたことが本当に夢のようです』
あからさまに好意を表していいものか、悩みあぐねる。
既読スルーされてもしかたない。
返信が来なくてもしかたない。
もう二度と会うことはなくても、素敵な想い出で上書き出来たのだから、後悔はない。
震える手で送信ボタンをタップし、ソファにボスっと体を預けた。
高校時代に戻ったみたい。
毎日登校するのが楽しみだったあの頃と同じように、目を閉じると瞼の裏に先生の顔が思い浮かんだ。
シャワーを浴び終え、冷蔵庫から緑茶のペットボトルを取り出す。
火照る体を冷ますように歩きながら冷茶をごくごくと飲み、茜はリビングテーブルの上に置いておいたスマホを手に取る。
「んっ?!!!」
矢吹先生からメッセージが届いていることに気付き、口に含んだお茶を拭き溢しそうになった。
『今日は凄く楽しかった。予定が分かったら連絡して。夜ならいつでも大丈夫だし、土日なら昼でも平気だから』
本当に夢じゃなかった。
一時間半ほど前の出来事が鮮明に蘇る。
この画面、スクショしとかなきゃ。
これまで先生から送られて来たメッセージは全てスクショした上で、保存してある。
それらを見ているだけで幸福感に満たされる。
仕事で初めて乗務した日やチーフパーサーの試験に合格した時よりも、嬉しいかもしれない。
仲間や同僚という大まかな括りの中で得られる特別よりも、たった一人の人から与えられる僅かな希望に満たされる。
自分の中でこんなにも先生の存在が大きなものなのだと、初めて知った。
『今日はお仕事でお疲れのところ、時間を作って頂きありがとうございました。凄く素敵なお店で先生と過ごせたことが本当に夢のようです』
あからさまに好意を表していいものか、悩みあぐねる。
既読スルーされてもしかたない。
返信が来なくてもしかたない。
もう二度と会うことはなくても、素敵な想い出で上書き出来たのだから、後悔はない。
震える手で送信ボタンをタップし、ソファにボスっと体を預けた。
高校時代に戻ったみたい。
毎日登校するのが楽しみだったあの頃と同じように、目を閉じると瞼の裏に先生の顔が思い浮かんだ。