カマイユ~再会で彩る、初恋
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「おっ、……五十嵐か?」
同窓会が開かれている会場は、大手ホテルチェーンの大宴会場。
七月下旬の土曜日の十八時過ぎということもあって、夏休みと週末と夕方という魔のトライアングルのような時間帯で、主要道路はどこも大渋滞。
タクシーに乗り込んだはいいが渋滞に巻き込まれ、会場に到着したのは一時間遅れ。
見覚えがあるような同級生の男の子が声をかける中、茜は会場内を見回す。
すると、右手奥のテーブルで手を振る千奈の姿を捉えた。
一卓に七人ほどが座っていて、それが二十卓ほどある。
同級生二百人弱のうち、百人強が参加しているらしい。
千奈がいるテーブルまで歩いて行く間に、ざっと参加人数を脳内で計算した。
「茜、お疲れぇ~」
「ちぃちゃん、席ありがとね」
「茜、久しぶり」
「佑人」
千奈が場所取りしてくれていたお陰で、席につけた茜。
右隣りが中高短大と八年間一緒に過ごした親友の千奈で、左隣りは中高と六年共に過ごした渡瀬 佑人。
ワイルド系のモテ男で、現在外資系の銀行マン。
佑人の更に左隣りは萩原 隆。
ノリが良くムードメーカーで男女問わず人気者で、佑人の親友。
高校三年間しか一緒に過ごしていないのに人柄なのか、長年一緒に過ごしたような安心感がある。
千奈、佑人、隆とは高校を卒業しても頻繁に会う仲で、当時からこの四人でつるむことが多かった。
「今日は仕事だったのか?」
「うん。昨日香港に行って、今日帰って来たところ」
「それはお疲れさん。ビールでいいか?」
「ん」
佑人がグラスにビールを注いでくれて、軽く乾杯した。
「次は三十五番、三十五番」
「あっ、ビンゴっ!!」
会場内に響くビンゴ実況に、千奈が勢いよく手をあげた。
「あ、これ、茜の分ね」
「ありがと」
「おっ、……五十嵐か?」
同窓会が開かれている会場は、大手ホテルチェーンの大宴会場。
七月下旬の土曜日の十八時過ぎということもあって、夏休みと週末と夕方という魔のトライアングルのような時間帯で、主要道路はどこも大渋滞。
タクシーに乗り込んだはいいが渋滞に巻き込まれ、会場に到着したのは一時間遅れ。
見覚えがあるような同級生の男の子が声をかける中、茜は会場内を見回す。
すると、右手奥のテーブルで手を振る千奈の姿を捉えた。
一卓に七人ほどが座っていて、それが二十卓ほどある。
同級生二百人弱のうち、百人強が参加しているらしい。
千奈がいるテーブルまで歩いて行く間に、ざっと参加人数を脳内で計算した。
「茜、お疲れぇ~」
「ちぃちゃん、席ありがとね」
「茜、久しぶり」
「佑人」
千奈が場所取りしてくれていたお陰で、席につけた茜。
右隣りが中高短大と八年間一緒に過ごした親友の千奈で、左隣りは中高と六年共に過ごした渡瀬 佑人。
ワイルド系のモテ男で、現在外資系の銀行マン。
佑人の更に左隣りは萩原 隆。
ノリが良くムードメーカーで男女問わず人気者で、佑人の親友。
高校三年間しか一緒に過ごしていないのに人柄なのか、長年一緒に過ごしたような安心感がある。
千奈、佑人、隆とは高校を卒業しても頻繁に会う仲で、当時からこの四人でつるむことが多かった。
「今日は仕事だったのか?」
「うん。昨日香港に行って、今日帰って来たところ」
「それはお疲れさん。ビールでいいか?」
「ん」
佑人がグラスにビールを注いでくれて、軽く乾杯した。
「次は三十五番、三十五番」
「あっ、ビンゴっ!!」
会場内に響くビンゴ実況に、千奈が勢いよく手をあげた。
「あ、これ、茜の分ね」
「ありがと」