カマイユ~再会で彩る、初恋
*
「……んっ…」
「目が覚めたか?」
「………ん?」
久しぶりに深い眠りから覚めたような、心地いい目覚めを噛みしめるように瞼をゆっくりと押し上げた先にいたのは、十年前に心の奥に封印したはずの人物だった。
「……夢?」
会いたくて会いたくて。
毎日のように呪文を唱えるように心に思い浮かべて過ごしていたから、いつの間にか、夢の中で会話できるスキルでも身に着けたのだろうか?
「フフッ、まだ寝ぼけてるのか?」
やだっ。
声までそっくり。
ちょっと低めで、少し冷たそうに感じる声。
唇の右下にあるほくろが物凄く色気があって、一度でいいから触れてみたかった。
そぉーっと手を伸ばして、そっと触れる。
「ッ?!!……初めて触れた」
恐ろしいほどの刺激的な感覚。
ほんの少し伸びかかった髭と自分より僅かに高い体温。
遠い記憶に残る、ベルガモットとレモンが爽やかに香り立つ匂い。
視界いっぱいに広がる美顔から僅かに視線を落としたその先にある光景に、心臓がドンッと脈打った。
「ひゃっ?!!」
おおおおおおお、おっ、畏れ多いっっ。
何度も夢の中で見たことはあっても、こんな風に上半身裸の姿を直視したことなんて一度もないのに。
とうとうニ次元でヌードにできるスキルが備わったってこと……?
「おい、五十嵐。……いい加減、起きろ」
「痛っ……えっ?」
夢の中なのに、ピシッとおでこに鋭い痛みを感じた。
……どういうこと?
これって、夢じゃないの??
パチパチと何度も瞬きをしてみる。
けれど、視界に映る人物は全く動じる様子もなく、呆れたように不敵に微笑んでいる。
「……んっ…」
「目が覚めたか?」
「………ん?」
久しぶりに深い眠りから覚めたような、心地いい目覚めを噛みしめるように瞼をゆっくりと押し上げた先にいたのは、十年前に心の奥に封印したはずの人物だった。
「……夢?」
会いたくて会いたくて。
毎日のように呪文を唱えるように心に思い浮かべて過ごしていたから、いつの間にか、夢の中で会話できるスキルでも身に着けたのだろうか?
「フフッ、まだ寝ぼけてるのか?」
やだっ。
声までそっくり。
ちょっと低めで、少し冷たそうに感じる声。
唇の右下にあるほくろが物凄く色気があって、一度でいいから触れてみたかった。
そぉーっと手を伸ばして、そっと触れる。
「ッ?!!……初めて触れた」
恐ろしいほどの刺激的な感覚。
ほんの少し伸びかかった髭と自分より僅かに高い体温。
遠い記憶に残る、ベルガモットとレモンが爽やかに香り立つ匂い。
視界いっぱいに広がる美顔から僅かに視線を落としたその先にある光景に、心臓がドンッと脈打った。
「ひゃっ?!!」
おおおおおおお、おっ、畏れ多いっっ。
何度も夢の中で見たことはあっても、こんな風に上半身裸の姿を直視したことなんて一度もないのに。
とうとうニ次元でヌードにできるスキルが備わったってこと……?
「おい、五十嵐。……いい加減、起きろ」
「痛っ……えっ?」
夢の中なのに、ピシッとおでこに鋭い痛みを感じた。
……どういうこと?
これって、夢じゃないの??
パチパチと何度も瞬きをしてみる。
けれど、視界に映る人物は全く動じる様子もなく、呆れたように不敵に微笑んでいる。