カマイユ~再会で彩る、初恋


「先生、お酒飲んでも大丈夫なんですか?明日、学校は?」
「明日からお盆休み」
「あー、世の中、そういう時期ですよね」

夕食を食べ終わり、リビングでストリーミングを観ながら缶ビールを開ける。

「先生はビール派ですか?」
「う~ん、何でも飲むけど、一番飲むのはやっぱビールかな」
「じゃあ今度、国際線乗務の時は、お土産ビールにしますね」
「いいよ、そんな気遣わなくて」
「ここに来る口実ですから、お気になさらず」
「っ……」

こういうズバッと言う物言い、昔から変わってないな。

「そうだ!えっと……九月四日~七日までがお盆休みなんですが、有給一日をそれにプラスしたので九月八日まで五連休になりました」
「おっ、ちょっと待って。……手帳に書いとく」

職場から支給されている手帳を開く。
学校行事や研修など、結構びっしりと予定が記されている。
その手帳に彼女の休みを記す。

「それで、千奈たちと逗子の海に行く日が四日にしたので、五日の夕方以降ならたぶん大丈夫です」
「……九月五日は夕方に修学旅行の打ち合わせが入ってるから、ちょっと遅くなるかも」
「私も何時に帰って来るか分からないので、終わり次第連絡しますね」
「そうだな」
「修学旅行って、どこに行くんですか?」
「シンガポールとマレーシア」
「えぇ~いいですね!私達の時はカナダだったのに」
「ここ数年はアジア圏が多いよ」
「そうなんだぁ」

クラス持ちではないから、旅行会社との打ち合わせを学年主任と担当している。

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