再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
「なんでわかった!」と、白い歯を覗かせながら笑う優太先生。
笑った顔は、医院長先生にそっくりだ。

その後は今日受診に来ていた患者さんの話題や、職場環境のこと、普段ゆっくり話せないようなことを話しているうちに、オーダーしたパスタが運ばれてきた。

出来立てのパスタは湯気が上がっていて、それと同時にいい匂いが鼻を通り抜けていく。


「美味しそう!」

「お腹空いてたんだもんな。遅くなってごめん」

「い、いえ! でも、冷めないうちに食べましょうか」


「いただきます」と両手を合わせてから、くるくるとフォークにパスタを巻き付けていく。
明太子を程よく絡めたパスタを口へ運ぶと、明太子の辛みとバターの風味が口いっぱいに広がった。

美味しさのあまり、思わず目を大きく見開く。


「すっごく美味しい!」

「うん、俺のも美味い」


どうやら、優太先生のズワイガニのパスタも美味しいよう。

それからはお互い黙々とパスタを食べ続け、あっという間に完食してしまった。
頃合いを見計らっていたのか、ちょうどいいタイミングでセットになっていたコーヒーが運ばれて来る。

ソーサーの上にちょこんと乗せられているミルクを入れてから、コーヒーを口にした。
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