再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
そういえば。今日、私をランチに誘った理由はなんだったのだろうか。
優太先生に、質問を投げ掛けようとしたとき。

「そういえば、西野さん」と、優太先生が先に口を開いた。


「なんでしょう?」

「西野さんは、今彼氏はいる?」

「え……彼氏は、いません。けど……」


いきなり想像もしていなかったことを質問されて、戸惑いつつも本当のことを話した。

なんで、そんなことを聞くのだろう?
私がシングルマザーだと言うことは承知のはずだし、彼氏がいるような雰囲気も出したことはない。

それに……私の心の中には、まだ蒼汰さんがいる。
忘れようとしても忘れられなくて。

だからこそ、産まれてきた子どもにも〝蒼〟という漢字を入れた。
少しでも、彼を近くに感じられるように……。


「突然変なことを聞いてごめん。実は俺……少し前から、西野さんのことが気になってて」

「え?」

「仕事熱心だし、患者さんにも優しく対応してるし。いつの間にか、惹かれていたみたいだ」


まさか。まさか、告白されるなんて思ってなかった。
頭の中がこんがらがってしまって、思考回路がついていかない。

今まで優太先生をそんな風に見たことなかったし、これはすぐに返事をすることは出来ない。
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