再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
「……嘘じゃ、ない?」

「嘘なわけない。4年間ずっと、莉乃を探してたんだぞ」


真剣な瞳で見つめられ、ドキドキしてしまう。
私の頬に手を添えた蒼汰さんの顔がグッと近付き、唇に優しくキスを落とした。

懐かしい感覚が身体中を駆け巡っていく。
そうして幸せが身体中を巡った瞬間、ふと蒼斗のことを思い出した。

そうだ。蒼斗のこと、ちゃんと話しておかないといけない。
蒼斗は紛れもなく彼の子だ。

蒼汰さんとまた付き合っていくならば、隠しておくわけにはいかない。


「蒼汰、さん。私も、話さないといけないことがあって……」

「どうした?」


「実は」と言いかけたところで、口を噤んでしまった。

もし……もしも、蒼汰さんが蒼斗のことを受け入れてくれなかったら?
再会したけれど、まさか子どもがいるなんて想像もしていなかたはずだ。

どういう反応をされるのかが怖くなって、次の言葉が出てこない。


「莉乃?」

「……あっ、あの。実は……蒼汰さんとの子が……」

「え?」


……やっぱりな反応。
怖くて、蒼汰さんの顔を直視できない。

今、彼はどんな思いで私の話を聞いたのだろうか。


「莉乃、もしかして、子どもが?」

「……はい。間違いなく、蒼汰さんとの子なんです。蒼汰さんのマンションを出て行ってすぐ、妊娠がわかって……」
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