再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
私の緊張が伝わっているのか、蒼斗もさっきから黙ったままだ。

……どうして?
元々の約束は、蒼汰さんと会うという約束だったはずなのに。

こんな堅苦しい感じで、父と子を再会させるつもりじゃなかったのに。
なにがどうなっているのだろうか。

俯いたまま、どうすることもできないでいると、お父様が咳払いをして沈黙を破った。


「莉乃さん……突然のことで、すまないね。今日は、莉乃さんに話さなければいけないことがあってね」

「話さなければ、いけないこと……ですか?」


そんなことは一切聞かされておらず、驚いて顔を上げる。
私が顔を上げたのと同じくらいのタイミングで、お母様と目が合った。

いったい、なにを言われるのだろうか。
もしかして……4年前に勝手に出て行ったことを怒られる?

しかも、子どもまで勝手に産んで。それはまぁ……怒られてもしかたがないことだ。


「……莉乃さん。4年前はひどいことを言ってしまって……本当にごめんなさい」

「えっ……?」

「許してもらえないのはわかっているわ。でも、謝らせて欲しいの」


まさか、お母様の口から謝罪の言葉が出てくるなんて思っていなくて、驚いて目を見開いた。
お母様は少しだけ頭を下げていて、それに続いてお父様も頭を下げている。
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