再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
それでも、蒼斗がいてくれたこと。蒼汰さんと再会して、また再スタートを切れそうなこと。
時間はかかったけれど、辛かったこと以上の幸せが舞い降りて来た。

〝次こそは反対されても立ち向かう〟と心に決めて、蒼汰さんと結婚したいと思っていたのだ。

それがまさか、こんなことになるとは……。


「莉乃さん。その子は、蒼汰との子だね?」

「……間違いありません。蒼汰さんとの子です」

「ほんと……鼻筋が蒼汰に、似ているわ。お名前は……」

「あおと!! にしの、あおとですっ」


お母様が聞き終えるまでに、蒼斗が元気よく名前を言った。

さすがにこれには全員が驚いて、目を丸くしている。
でも、その蒼斗の素直さが、私の緊張をほぐしてくれた。ここへ来てやっと、私の口元が緩んだ。


「蒼斗、と言います。〝あお〟という字は……蒼汰さんの〝蒼〟です」


それを聞いたお父様も、涙が堪えられなくなったようだ。
ポケットからハンカチを取り出して、目元を押さえている。

あぁ……やっとだ。
やっと、わだかまりがなくなったんだ。

4年という月日はとても長かったけれど、今日のために、これまでの出来事があったんだ。
今は、そう思える。


「私も……ずっと蒼汰さんを忘れられませんでした」
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