再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
私が蒼斗に説明しようとしたとき、蒼汰さんが先に口を開いた。


「蒼斗の、おじいちゃんとおばあちゃんだよ」

「……おじいちゃん?」

「そう。蒼斗には、おじいちゃんとおばあちゃんもいるんだよ」

「そうかー! うれしい!!」


パッと花が咲いたかのような笑顔で、嬉しそうにそう言った蒼斗。

……よかった。
ちゃんと、ご両親のことも受け入れてくれた。

これで、心配なことはもうなにもない。


「蒼ちゃん。ご飯は、なんでも食べたいもの言ってね」


お母様も、蒼斗の傍へと近寄って来てくれる。

周りに大人たちが近寄り、なんだか大スターみたいな感じになっているけれど……。
これが、私が思い描いていた未来だ。


「おすしでもいいの?」

「えっ……ちょ、蒼斗!」


まさかのお寿司!!

お寿司なんて今まで数回しか食べさせてこなかったのに。
しかも、スーパーのパック寿司。外食でのお寿司の味を覚えてしまったら、この先が怖い。

さすがにそれはまずいと思い、違う物を提案しようとした私を止めたのはお母様。


「いいのよ莉乃さん。今までたくさん我慢してきたでしょう? 好きな物、食べさせてあげましょう」

「そうだよ莉乃さん。気にしなくていい。お寿司なら、クリニックの近くに美味しいお寿司屋さんがある」
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