再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
嬉しそうにジュニアシートに座った蒼斗の横に、私も座る。

助手席にはお母様が座り、1番後ろの席にはお父様が腰かけた。
全員がシートベルトをしっかり締めたことを確認してから、蒼汰さんは車をゆっくりと発進させる。

車を15分程走らせると、高森クリニックが見えてきた。

懐かしい景色……。
クリニックの中庭も相変わらず綺麗に整えてあり、美しい花が咲き誇っている。

いつか、私もお母様と一緒に庭のお手入れをできたらいいな……。
そんなことを考えているうちに車がお寿司屋さんに到着したようで、駐車スペースに車を停める蒼汰さん。

車が停まった瞬間から蒼斗はわくわくが止まらないようで、自分でシートベルトを外していた。


「蒼斗、お待たせ」

「わぁーい!! おすしだ!!」


蒼汰さんがクルリと振り返り、蒼斗に向かってにっこりと笑いかけた。

そのまま運転席を降りて後部座席のスライドドアを開けると、飛び跳ねている蒼斗のことを抱きかかえてくれる。
最近体重が増えた蒼斗を抱っこするのは負担だったから、助かる。

ご両親も車から降りると、5人でお店に向かった。
のはいいけれど……どうも見た感じ、高級そうだ。

どうしよう……。多分、お会計はご両親持ちだろうし。
こんなところへ子どもも一緒に連れて来て、大丈夫なのかな。
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