再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
「あ、あの……子連れでも大丈夫ですよね?」


蒼斗を抱っこしてくれている蒼汰さんに、小声で聞いてみる。


「問題ない。ここ、父さんの行きつけらしいから」

「え……行きつけ?」

「あぁ。顔馴染みなんだって」


『京極亭』と、暖簾に書かれているこのお店は、どうもお父様の行きつけらしい。

それだったらお店の内装とかもご存じだろうし、大丈夫かな?
カウンター席ではまだ蒼斗は無理だし、テーブル席があると嬉しいんだけれど。

と、心配している私をよそに、店内へと進んで行くご両親。


「おぉ! 茂さん、久しぶりじゃないか!」


店内に入るなりご両親に気が付いた板前さんは、嬉しい右手を挙げている。


「カウンター、2席空いてるよ!」

「いや……今日は、孫も一緒なんだ。テーブル席で頼むよ」

「孫ー!? いつの間に!!」


お母様と2人での来店だと思っていたのか、孫がいると知ってとんでもなく驚いた様子の板前さん。

いや、まぁ。私が板前さんの立場なら、飛び跳ねるくらい驚くと思う。
だって、知らない間に孫がいるんだもん。

驚いて当然だよね。


「尚樹さん、お久しぶりです。蒼汰です。それから、息子の蒼斗です」

「蒼汰くんか!? いやぁ……いつの間に結婚してたんだい」
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