再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
高森先輩がどうしてお父様の医院で働きたくないのかは知らないけれど、多分、なにか理由はあると思う。


「西野は? 最近どうなんだ?」

「え、私は相変わらずですよ。No.1も維持できてますし、今日も常連客が多くて」


私の答えに対して「そうか」と小さく呟くと、春雪を一口飲んだ高森先輩。

再会した当初はお酒が苦手だった彼も私と飲むようになってからはプライベートでもカクテルを口にするようになったらしく、カクテル1杯じゃ酔わなくなってきたみたい。

それでもまだシャンパンはハードルが高いのか、私のお店に来てもアルコール度数が低めのシャンパンをオーダーしている。


「楽しい?」

「もちろんです。いい仲間もいてくれるし、充実してます」

「そりゃそうだよな」


世間ではあまりいいイメージはないかもしれない私の仕事。

それでも素敵な仲間やお客さんに恵まれて仕事が出来ているから、とても幸せ。頑張った分がちゃんとお給料になって現れるし、この仕事を初めて後悔はしていない。

No.1になった頃はめぐみさんにも妬まれていたのだけれど、今はそれもなくなって大好きな先輩だし、尊敬だってしている。
高森先輩は普段私の仕事についてはなにも言ってこないのに今日はどうしたのだろうか。


「あのさ……」

「はい? どうしました?」
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