再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
そんな息が上手く出来ない空気の中、沈黙を破ったのは高森先輩だった。
「父さん。彼女は西野莉乃さん。俺の婚約者です」
「は、初めまして。西野莉乃です」
緊張しながらなんとか自己紹介をしたものの、内心『嘘でしょ。いきなりそんな風に紹介されてしまうの?』と戸惑いを隠せずにいる。その後の助け船として視線を高森先輩に送ってみても、先輩はずっとお父様と視線を絡めたまま。
背筋をピンと伸ばし真っ直ぐ前を見据える高森先輩の結婚宣言は、とても嘘を言っているようには思えない。
あんな風に言われたら、この結婚が偽物だなんて誰も疑わないだろう。
「ほう……西野さん、だね。可愛らしい子だ」
「はい。高校時代の、バスケ部の後輩です」
「おぉ、そうだったのか。それなら、学力は問題なさそうだね。仕事は、なにをしているんだい?」
「え……っと……」
いきなり仕事の内容を問われてしまって、口を閉ざしてしまった。
高森先輩のお父様を目の前にして『キャバクラで働いています』なんて言えない。というより、言ってはいけない気がする。
冬だというのにも関わらず背中にヒヤリと汗を感じたとき、口を開いたのはまたしても先輩だった。
「あ……仕事は、近くの小児科で医療事務をしている。ほら、あそこだ。みやがわクリニック。父さんもご存知でしょう?」
「父さん。彼女は西野莉乃さん。俺の婚約者です」
「は、初めまして。西野莉乃です」
緊張しながらなんとか自己紹介をしたものの、内心『嘘でしょ。いきなりそんな風に紹介されてしまうの?』と戸惑いを隠せずにいる。その後の助け船として視線を高森先輩に送ってみても、先輩はずっとお父様と視線を絡めたまま。
背筋をピンと伸ばし真っ直ぐ前を見据える高森先輩の結婚宣言は、とても嘘を言っているようには思えない。
あんな風に言われたら、この結婚が偽物だなんて誰も疑わないだろう。
「ほう……西野さん、だね。可愛らしい子だ」
「はい。高校時代の、バスケ部の後輩です」
「おぉ、そうだったのか。それなら、学力は問題なさそうだね。仕事は、なにをしているんだい?」
「え……っと……」
いきなり仕事の内容を問われてしまって、口を閉ざしてしまった。
高森先輩のお父様を目の前にして『キャバクラで働いています』なんて言えない。というより、言ってはいけない気がする。
冬だというのにも関わらず背中にヒヤリと汗を感じたとき、口を開いたのはまたしても先輩だった。
「あ……仕事は、近くの小児科で医療事務をしている。ほら、あそこだ。みやがわクリニック。父さんもご存知でしょう?」