再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
約20人程の私たちの性格や特徴を把握している田端くんの信頼度は、めちゃくちゃ高い。
それは多分、彼の性格がそうさせているのだろう。

そんなことを考えながら席へと向かい「こんばんわ」と言いながらお客様に声を掛けた。


「あぁ、どうも」


私に気が付いたお客様は、後ろを振り返ってめんどうくさそうにあいさつを返してくれる。
その男性の顔を見て、私は動きを止めてしまった。

……ん？　この人、どこかで見たことがあるような気がする。

彼の年齢は、きっと私と変わらないくらいだと思う。

座っていてもわかるくらいの、身長の高さ。俗に言う〝イケメン〟という部類で、男性にしては顔立ちはとても美しい。
ブラウンがかった髪はきれいに整えられていて、細身の身体には黒色のスーツがよく似合っていた。


「ご指名ありがとうございます」


笑顔……というよりも完全に営業スマイルというものを全力で出して、彼に近づく。ペコリと頭を下げて軽く会釈をした彼は、体制を整えつつ私から少し距離を置いた。

なんともまぁ……こういう場所が不釣り合いな男性だ。
初来店と言うのも、納得がいく。

だいたいこういう場所に慣れている人は、自分の方から距離を縮めてくることが多い。
それを敢えて距離を取ると言うことは、慣れていないのだ。
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