再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
そんなに車高があるわけでもないけれど、転ばないようにと支えてくれた蒼汰さんの優しさにきゅんとしてしまう。
それと同時に脳裏を過ったのは、高校時代の彼女のこと。
あのときも……こんな風に彼女に対して優しくエスコートしていたのだろうか。
手を取り合って、抱き合って。そして愛し合って……。
ただ傍から見て想いを寄せていただけだったけれど、彼女だったら当然のことだよね。
どうしよう。妬ける。
そんなモヤッっとした気持ちが胸に沸き上がったとき。
それを打ち消すかのように、蒼汰さんのジーンズのポケットでスマホが鳴り始めた。
「ごめん。ちょっと」
そう言ってジーンズからスマホを取り出し電話の相手を確認した蒼汰さんは、顔を顰める。
あぁ、この様子は病院からだ。
「……あぁ、うん。うん、すぐ行く」
用件だけを伝えて電話を切った蒼汰さんは「ごめん、呼ばれた」と申し訳なさそうな面持ちで私を見つめた。
でもそれは仕方のないこと。蒼汰さんが謝ることはなにもないのに。
「皮膚腫瘍を切除した患者なんだ。患部からの出血が止まらないらしい。それが原因かはわからないけど、貧血も進行してるらしくて」
腫瘍? 貧血の進行?
素人の私にはどこまでが重症なのかはさっぱりわからないけれど、患者さんの命に関わることであるならそちらを優先して欲しい。
それと同時に脳裏を過ったのは、高校時代の彼女のこと。
あのときも……こんな風に彼女に対して優しくエスコートしていたのだろうか。
手を取り合って、抱き合って。そして愛し合って……。
ただ傍から見て想いを寄せていただけだったけれど、彼女だったら当然のことだよね。
どうしよう。妬ける。
そんなモヤッっとした気持ちが胸に沸き上がったとき。
それを打ち消すかのように、蒼汰さんのジーンズのポケットでスマホが鳴り始めた。
「ごめん。ちょっと」
そう言ってジーンズからスマホを取り出し電話の相手を確認した蒼汰さんは、顔を顰める。
あぁ、この様子は病院からだ。
「……あぁ、うん。うん、すぐ行く」
用件だけを伝えて電話を切った蒼汰さんは「ごめん、呼ばれた」と申し訳なさそうな面持ちで私を見つめた。
でもそれは仕方のないこと。蒼汰さんが謝ることはなにもないのに。
「皮膚腫瘍を切除した患者なんだ。患部からの出血が止まらないらしい。それが原因かはわからないけど、貧血も進行してるらしくて」
腫瘍? 貧血の進行?
素人の私にはどこまでが重症なのかはさっぱりわからないけれど、患者さんの命に関わることであるならそちらを優先して欲しい。