再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
「私のことはいいですから、病院へ行ってください」

「ごめん。遅くならないようにする」


そう言った蒼汰さんは私にマンションのカードキーを手渡すと、慌ただしく車に乗り込んで病院へと向かって行ってしまった。

そうか。こういうこともあるんだ。
大学病院のドクターなんだもの。当たり前だよね。

そんなことを考え長ながらカードキーの裏面に記載されている部屋番号を頼りに、蒼汰さんの部屋へと向かうことにした。

どうやら、セキュリティーばっちりなこのマンション……。
私が住んでいたアパートとは全然違って、蒼汰さんのようなお金持ちが住むマンションのようだ。


「広っ……」


エントランスホールの広さに驚き。高層階だということに驚き。
極めつけには、ちょうど真ん中の階であろう18階に、マンションの住人だけが利用できる軽食を摂ることができるおしゃれなカフェがある。

どんな部屋なのかドキドキしながら蒼汰さんの部屋がある24階へとエレベーターの行き先を指定した。

静かにエレベーターが上がっていくと、エレベーター内からは景色が一望できた。
よく目を瞠って見てみると、蒼汰さんが勤務しているであろう大学病院が目に留まる。

大きな病院……。
いったいどのくらいの患者さんがいて、どのくらいの人が勤務しているのだろう。
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