再会したクールな皮膚科ドクターは、元・売れっ娘キャバ嬢をまるごと愛で包み込む
資格取得後はシングルマザーとしてアパート近くの内科ーー関原クリニックで医療事務として勤務していて、給料も安定。
様々なサポートを受けながら子育てをして、蒼斗も先月の12月で3歳になった。

散々なタイミングでの妊娠だったけれど、愛する人との子どもはとびきり愛おしい。


「蒼斗、行こうか」

「うん、いく!」


玄関で蒼斗を抱っこすると、保育園の荷物を持ってアパートを出発。

雪がチラつく中、蒼斗と一緒に保育園までの道のりを歩いて保育園に蒼斗を預ける。
保育園からクリニックまでは10分くらいの距離だから、とても助かっていた。


「おはようございます」

「あ、西野さんおはよう。今日も寒いね」


にっこり笑いながら返事をしてくれたのは、同じ医療事務として勤務している安達(あだち)さん。

年は私より3つ上の31歳で、安達さんもシングルマザー。
子育てに関する様々なサポートが受けられることも安達さんが教えてくれて、色々な場面で頼りにしている。


「雪、振ってましたよ」

「本当? 寒いと思った」


安達さんは両手を擦り合わせながら窓の外を覗いて「うわぁ、本当だ」と、雪に感激している様子だ。

こんな感じで今はお互い相手がいないけれど、日々充実していて、とても幸せ。
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