山寺兄弟の深すぎる愛
龍虎♡祭
風龍、虎空、祭理。

幼馴染みの三人は、大学三年生に進級したばかりの二十歳。
山寺家が所有するマンションに、三人で暮らしている。
祭理が居候しているような状態だ。
(金銭的なものなど、全て山寺持ちだから)


進級早々祭理が体調を崩し、風龍と虎空は、つきっきりで看病をしていた。
やっと落ち着いてきたところだ。

虎空が喉が渇いたため、起きてキッチンでミネラルウォーターを飲み、部屋に戻ろうとしていた。

「ん?」

ふと“F”のプレートがかかったドアが目に止まる。
風龍の部屋だ。

「開いてる…」

少しだけ開いていて、中を覗く。
風龍がいない。

「…………はっ!?もしかして!?」
虎空は、ある部屋に向かった。

一番奥にある“M”のプレートがかかった部屋。
祭理の部屋だ。

音を立てないように、ゆっくりドアを開ける。
案の定、祭理を抱き締めて風龍が眠っていた。

その姿に、言葉にならない怒りが込みあがる。

ベッドに近づいた虎空は、祭理を起こさないように風龍を引き離し、ベッドから引きずり落とした。
ドン!!と鈍い音がして、風龍が眉間にシワを寄せて起きる。

「……ってぇ…!!」

「………フウ」

「…っんだよ、クウ」

「面、貸せよ」

風龍が見上げると、虎空が凄まじい目つきで見下ろし、睨み付けていた。


そして二人は、静かに祭理の部屋を出た。
リビングのソファで対当している、風龍と虎空。

「━━━━つか!腰、いてぇんだけど!!」

「は?自業自得だよね?」

「何が!?」

「“抜け駆けはしない”
約束したよね?」

「は?
あ…
さっきのは、不可抗力なんだよ!!」

「はぁ!?」

「祭理の体調を見るために部屋に行って、おでこで熱を測ってそのまま頭撫でてたら、祭理が俺の手を握ってきたんだよ!!
もう、そうなったら……我慢できるわけねぇじゃん!!」

「………」

「な?クウでも、同じことしてただろ?」

「………そうだね」

「だろ?
………ってことで、俺は寝る」

「何処で?」

「は?
ちゃんと、自分の部屋で寝るっつうの!」

「僕は、祭理の体調を見てから寝る」


「は━━━━?」
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