山寺兄弟の深すぎる愛
「「「いただきます!」」」

三人が食べ始める。
風龍と虎空は、同時に豆腐サラダに手をつけた。

「ん!旨い!」
「フフ…美味しっ!」

「……/////」
(なんか、逆に恥ずかしい/////)

豆腐ときゅうりを切って、レタスはちぎって入れ、市販のドレッシングをかけただけ。

確かに、ドレッシング“は”美味しい。
人気の市販のドレッシングなのだから。

しかしただ切って入れただけの、子どもでも簡単に出来るサラダを、満面の笑みで“美味しい”と言われると、あまりにも情けなくて恥ずかしい。

祭理は、恥ずかしさを払拭するようにパスタとスープに手をつけた。


食後。ココアを飲みながら祭理は、風龍と虎空に挟まれ、スマホでレシピを見ていた。

(なんか、私でも簡単に作れるお洒落なレシピないかなー?)

「んー?祭理、なーに見てんの?」
「cmako?」

「あ、ううん。
レシピを、少々……」

「なんで?」

「お料理、上手くなりたいなと…」

「だったら、僕が教えてあげるよ?」
「俺も!」

「あ、いや…」
(それじゃ意味ないの!)

「「ん?」」
ニコニコして見ている、風龍と虎空。

「ううん、やめた!!」

「お、おぅ…」
「まぁ、僕は構わないけど…」

「それより、清くん達とのBBQ、返事しないと!」

「「は?」」
一瞬で、二人の機嫌が悪くなった。

「あ、ほ、ほら!
“みんな”ってことは、里羅(りら)ちゃんもいるってことだよね?
久しぶりだし、あ、会いたいな?」
ビクビクしながらも、窺うように言う。

「………」
「………」

「ね?」

「「…………はぁ…」」
二人はため息をつき、スマホを取り出した。

風龍と虎空は、清輔とグループメッセージをする。

龍【BBQ、いつすんの?】
虎【てか、みんなってどのみんななの?】

清【みんなはみんな!
青輔(あおすけ)のメンバーと、里羅だよ!
てか、来てくれんの?】

虎【祭理が、里羅に会いたいんだって】
龍【里羅に!会いたいんだからな!
間違っても、お前じゃねぇから!】

清【はいはい!わかってるよ!
じゃあ、GW初日に駅集合ね!
迎えに行くから!】
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