山寺兄弟の深すぎる愛
「う、うん…/////」

「ん?何かあるの?」
顔を赤くする祭理を覗き込む。

「ドキドキしてばっかなの、最近」
「へぇー!」

最近のことを話す、祭理。

軽い気持ちで頬へのキスを受け入れたために、毎日風龍と虎空にキス責めを受けていること。

あっという間に引っ越し(というより、住むところが変わり)半ば強制的にキングベッドで寝ることになって、朝起きると二人に抱き枕のように抱き締められていること。

「━━━━す、スッゴ!!」

「どうしたらいいかわからなくて……」

「…………祭理は、さ」

「うん」

「“本当は”どっちが好きなの?」

「え?」

「どっちか選んだら、どっちかを傷つけるから“決められない”んでしょ?」

「………」

「本当に、どっちかを決められないの?」

「………うん」

「そっか…
………………だったら、清輔は?」

「…………へ?清くん?」

「そ!清輔」

「なんで、清くんが出てくるの?」

「………」

「………」

「………気づいてないの?」

「え?」

「清輔、祭理に惚れてるのよ?」

「………」

「………」

「………う、嘘━━━━━━」


「━━━━━よし!食うぞ~!」
「祭理!来いよ!」
「食べよ?祭理!」

祭理と里羅は、風龍達の元に戻る。
妙に清輔を意識してしまう。

不意に、清輔と目が合った。
少し驚いたように見開いて、ふわりと微笑んだ清輔。
祭理は恥ずかしくなり、思わず俯いた。

その姿を、風龍と虎空がバッチリ見ていた。


「祭理、向こうで食おうぜ!」

「え?」

「そこの川沿いの岩に座ってさ!」
風龍と虎空に、引っ張られ大きな岩に並んで腰かけた。

「ん!祭理!」

「ありがとう!」
風龍から肉と焼き野菜が入った紙皿を受けとる。

「食べよ?いただきます!」

三人は仲良く、食べ始めた。


「━━━━さっき、里羅と何話してた?」
「え?」

「僕達が準備してた時だよ」

「何って……
最近どう?って話。
ほら、なかなか会わないから」

「「他には?」」

「え?」

「清輔の話、してただろ?」

「え……!?な、なんで?」
(なんでわかるのー?)

「やっぱ、図星だ!」

「え……」
(は、謀られた?)


「里羅と、どんな“清輔”の話してたんだよ!?」
「祭理!教えて?」
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