山寺兄弟の深すぎる愛
「━━━━━祭理?」
「どうしたの?」

それから四人は集まり、食事をしている。
あまり進まない祭理に、風龍と虎空が心配そうに顔を覗き込む。

「え?あ、ううん!」

この優しく微笑む二人のどちらに決めなければならない。
二人に、束縛されてるからではない。

祭理自身が“傍にいたい”と思っている今、はたして決めることが出来るのだろうか。

でも、どこかでわかっていた。
そんな都合よく、ずっと三人でなんていれるわけがないのだ。


半年で、決めなければ!

『祭理ー、これ俺が作ったパスタ!どう?旨いだろ?』

『祭理、レポートどう?進んでる?
また、僕と一緒にしよ?』

━━━━━━━決めなければ。

『あー、祭理と閉じ籠りてぇー!』

『祭理、好き/////
独り占めしたい…/////』

━━━━━━━決めなければ……


『祭理、ずっと俺の傍にいろよ?』

『祭理、ずっと一緒にいようね!』

━━━━━━━決めな…ければ…………



「無理じゃん!!!
ずっと三人でいたのに、今更無理だよ……」

あっという間に過ぎていく。
夏も、秋も過ぎてしまい、12月に入っていた。

祭理は、悩んだ。
あと、一ヶ月を切ってしまった。

三年も決められなかったのに、半年で決めるなんて出来ない。


その日ベッドに並んで横になっていた祭理に、風龍と虎空が言った。

「祭理、今年のクリスマスどっかホテルにでも泊まらね?」
「ね?ホテルで、豪華なディナーと部屋に泊まるのも素敵じゃない?」

「え?あ、二人が良いなら━━━━━━あ!」

「ん?」
「祭理?」


ガバッと起き上がった祭理。
二人に、向き直った。

「デート、したいな……!//////」

「「デート?」」

「二人、それぞれと!
だ////ダメかな?/////」

「「……///////」」
「良いに決まってんじゃん!!」
「そんなの、嬉しいに決まってるよ!」

「じゃあ、イブとクリスマスで一日デートしよ?
俺はイブで、クウがクリスマスな!」
「いいよ!」

「ありがとう!」


祭理は、そのデートで“どちらと結婚するか”決めることにしたのだ。

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