山寺兄弟の深すぎる愛
クリスマスイブ━━━━━━

まずは風龍と、一日を過ごす。

「じゃあ、行ってくるね!クウちゃん」

「ん。
あ!これだけは、約束して!
午前0時にまでに帰ってくること!」

「ん!わかってる」
「うん!」

風龍と祭理は、虎空に手を振りマンションを出た。


「━━━━やっぱ、可愛いな!祭理!
フフ…俺、幸せ!
祭理と“二人で”過ごせるなんて!」

「う、うん…」

風龍や虎空は心にも思ってないだろう。
今日と明日のデートで、祭理が何を決めようとしているかを。

「お洒落してくれたんだな!」

「え?あ、うん。デートだし!
ピアスも、龍だけ!」
右耳の龍のピアスだけを見せた。

「そっか!」

「今日は、フウちゃんのことだけ考えるつもり!」

「おぅ!!
さ、行こっ!!」
風龍が、手を差し出す。
祭理も微笑み、手を握った。

指を絡めて繋ぎ、二人は駅に向かう。

「どこ行くの?」
「んー、内緒!」

「えー!!」

駅に着き、駅前のバス停に向かった。
丁度よくバスが来て、乗り込む。

奥の席に祭理を座らせ、横にぴったりくっついた風龍。
「祭理、コートの下温かくしてるよな?」
「え?うん!
今日明日は、雪降るかもって言ってたから」

「良かった!
実はさ、今から海に行きたくて!
もちろん入ったりしねぇけど、かなり冷えるからさ!
どうしても、祭理を連れていきたくて」

「そっか!大丈夫だよ!」
微笑むと、風龍が顔を近づけてきた。

「………」
「ん?ちょ…な、な、何/////」

「キス、してぇなって…」

「だ、ダメだよ!ここ、バスの中!」

「じゃあ、海でしてい?
誰もいないし」

「う、うん/////」


そして海に近いバス停に着き降りる。
祭理の手を引き、海の方へ向かう。

「祭理、寒くない?大丈夫?」
「んー、寒いけど大丈夫!」

「ほら!これ、巻いとけ!」
自身が巻いていたマフラーを、祭理の首に巻く。

「ありがとう!
でも、フウちゃんは?寒いでしょ?」

「んー、寒いけど大丈夫!」

「あー!真似した!」

「フフ…いや、マジで大丈夫だから!
ほら、行くぞ?」
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