山寺兄弟の深すぎる愛
「……/////」

虎空が固まっている。
まさか、キスをしてくるなんて思わなかったから。

しかし風龍と同様、虎空もスイッチが入ってしまう。
「ズルいよ…」

祭理の繋いでいる方の手を引き寄せ、祭理の口唇を奪うように重ねた虎空。
そのまま夢中で貪った。

「んん…ク…ちゃ…/////」

「はぁはぁ……祭理、好き////好き、大好きだよ……!」
額と額をくっつけ言う。

「うん…/////」

「だから祭理。
少し、我慢してね……!」

「え━━━━━」

虎空は、祭理のコートのボタンを外した。
そして中に来ている、タートルネックのニットの首元を少し伸ばした。

そして、祭理の首に吸い付いた。

「んんっ!!?」
「……………よし、ついた…!」

「え?え?」

「キスマーク!
今だけは、僕だけの祭理でしょ?」

「……/////」

「これくらい、いいよね?」

「……/////」

「フフ…赤くして、可愛い!」


そして━━━━━23時59分。
0時になるギリギリ前に、マンションについた虎空と祭理。

エントランスには、風龍が待っていた。

「はい、おかえり」

「ただいま」
「フウちゃん!」

「帰ろ?
また、三人で楽しく過ごそ?」

そう言って、祭理をエレベーターに促す。

しかし、祭理は……………


「………え?ま、祭理!?」
「どうしたの!?」

涙が溢れていた。


この時、祭理はもう…決心していた。



“もう、二人の傍にはいられない”と━━━━━━




家に着いて、ソファに並んで座っている三人。
両側から風龍と虎空が、心配そうに顔を覗き込んでいた。

「祭理、言えよ?何があった?
クウに、なんか嫌なことされたのか?」

首を横に振る。

「じゃあ、何?
キスマーク、嫌だった?」

首を横に振る。

「は?クウ、キスマークってなんだよ!」
「いいでしょ!首に一つだけつけたの!
フウだって、先にキスしたじゃん!」
「………」

「違うの!!」

「祭理?」
「じゃあ、何?」

「ごめんね……フウちゃん、クウちゃん」

「「え?」」

祭理はバッグの中から、石狩の名刺を取り出した。

「は?これ…」
「石狩の名刺?」

電話をかける、祭理。

『━━━━━━━はい。祭理さん?』


「石狩さん、こんな夜中にすみません。
明日、おじさんに時間を取ってもらうように話してもらえますか?」
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