山寺兄弟の深すぎる愛
祭理の決断
たまたま石狩はまだ父親の傍にいて、察した父親に“今から聞く”と言われ、父親は石狩を連れマンションに現れた。


「━━━━何なんだよ、これ!」
「祭理、どうゆうこと!?」

「祭理ちゃん、いいの?
“まだ”時間はあるよ?」

「いいんです。
もう、決まってますから」

「そう…
じゃあ、聞かせてくれる?」

「はい。
昨日と今日、フウちゃんとクウちゃん別々にデートをしました。
私、デート自体初めてで……/////
しかも、二人とのデートなのでとっても幸せでした!」

「そうか!」

「おじさん、私には無理です!」

「そう…みたいだね……その表情」

「なので━━━━━」

「「ちょっと待った!!!」」
そこに、風龍と虎空が口を挟む。

「無理って何だよ!」
「なんか、嫌な予感しかしないんだけど?」

祭理は、父親との約束の話をした。

「は?
意味わかんねぇんだけど?」
「祭理、小敷商事の息子と結婚するの?」

「ごめんね。
やっぱり、私は二人のどちらかを決めるなんて出来ない。
欲張りだけど、二人のこと同じくらい好きだから!」

「冗談じゃねぇよ!!!」
「そんなの、僕達が納得すると思ってるの!!?」

「納得して?
二人は、将来おじさんの後を継がなきゃなんだよ?私なんかと、三人でなんて暮らしてられないんだから!」

「祭理は、ほんと残酷だな……」
風龍の顔が、切なく歪む。

「フウちゃん…」

「昨日のデートで俺の心を更に奪っておいて、違う人の嫁さんになります!って……
なんだよ、それ……」

「祭理、言ったよね?
僕の傍にいてって!
祭理だけが欲しいって!
祭理、傍にいるよって言ってくれたでしょ!!」

「クウちゃん…」

「あれは、嘘なの?
ねぇ!考え直してよ!!
フウも一緒でいいから、三人でいようよ!!」

「ごめんね」


「「親父!!(父さん!!)」」

父親に向き直る、風龍と虎空。
意味深に見ている、父親。

「勝手に、祭理を引き離すんじゃねぇよ!!」

「………」

「祭理は渡さないよ!」

「………じゃあ、どうするんだ?」



「「監禁、してやる!!!!」」

見据える父親に、風龍と虎空も鋭き視線で言い放った。
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