山寺兄弟の深すぎる愛
風龍は、男の手を引っ張り駅を出ていく。
虎空は駅のベンチに祭理を座らせ、安心させるように抱き締めた。
『祭理、もう大丈夫だよ!
大丈夫、大丈夫……落ちついて?』
背中をさすりながら、ゆっくりと声をかける虎空。
震えていた祭理が、少しずつ落ちついてくる。
祭理が落ちつきを取り戻すと、向き直り言い聞かせるように言った。
『すぐに戻ってくるから、ここで待ってて?』
祭理が頷くと、頭をポンポンと撫でて風龍の所へ向かった。
虎空が風龍の元に向かうと、既に男はぼろぼろになぶられていた。
『あぁ、クウ。
もうやったから』
黒い雰囲気を醸し出しながら、静かに言った風龍。
虎空は男の状態を見ると、風龍に向き直り言った。
『は?まだ、生きてるでしょ?
何甘いことしてるの?』
『は?まさか、殺るの?』
『は?生かすの?
……………あり得ない。
僕の祭理をあんな傷つけた奴が、息してるってだけで虫酸が走る。
━━━━━フウ、お前は甘すぎる』
そう言って、虎空は男をなぶり殺したのだった。
そしてそれを、風龍と虎空の父親が処理をしたのだ。
これが風龍の言う“虎空が最悪で最低な奴”という所以だ。
━━━━━━━━━
━━━━━━━……………
なんとか無事に電車が大学近くの駅に停車し、降りた三人。
手を繋いだまま、駅を出た。
駅を出ると、祭理が“ありがとう!”と言って二人と手を離そうとする。
「なぁ、祭理」
離そうとする祭理の手を、更に握りしめ言った風龍。
「え?」
「手、離す必要なくね?」
「へ?」
「僕も、ずっと思ってた」
虎空も、更に握りしめ言う。
「え?え?」
祭理が痴漢に遭ってから、電車の乗り降りや電車内で手を繋ぐようにしている三人。
でも必ず駅を出ると、祭理が手を離すのだ。
「ずっと繋いでたい!」
「僕も、離したくない!」
「でも……」
(ただでさえ、羨ましがられてやっかまれてるのに、手を繋ぐなんて……)
「ん?祭理?」
「嫌?」
「え?あ、嫌じゃないよ…?」
「「じゃあ、いいよな?」」
「………」
「「な!!?」」
有無を言わせない、風龍と虎空の鋭い視線。
「………う、うん…」
臆病な祭理は、そう言わざるおえなかった。
虎空は駅のベンチに祭理を座らせ、安心させるように抱き締めた。
『祭理、もう大丈夫だよ!
大丈夫、大丈夫……落ちついて?』
背中をさすりながら、ゆっくりと声をかける虎空。
震えていた祭理が、少しずつ落ちついてくる。
祭理が落ちつきを取り戻すと、向き直り言い聞かせるように言った。
『すぐに戻ってくるから、ここで待ってて?』
祭理が頷くと、頭をポンポンと撫でて風龍の所へ向かった。
虎空が風龍の元に向かうと、既に男はぼろぼろになぶられていた。
『あぁ、クウ。
もうやったから』
黒い雰囲気を醸し出しながら、静かに言った風龍。
虎空は男の状態を見ると、風龍に向き直り言った。
『は?まだ、生きてるでしょ?
何甘いことしてるの?』
『は?まさか、殺るの?』
『は?生かすの?
……………あり得ない。
僕の祭理をあんな傷つけた奴が、息してるってだけで虫酸が走る。
━━━━━フウ、お前は甘すぎる』
そう言って、虎空は男をなぶり殺したのだった。
そしてそれを、風龍と虎空の父親が処理をしたのだ。
これが風龍の言う“虎空が最悪で最低な奴”という所以だ。
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━━━━━━━……………
なんとか無事に電車が大学近くの駅に停車し、降りた三人。
手を繋いだまま、駅を出た。
駅を出ると、祭理が“ありがとう!”と言って二人と手を離そうとする。
「なぁ、祭理」
離そうとする祭理の手を、更に握りしめ言った風龍。
「え?」
「手、離す必要なくね?」
「へ?」
「僕も、ずっと思ってた」
虎空も、更に握りしめ言う。
「え?え?」
祭理が痴漢に遭ってから、電車の乗り降りや電車内で手を繋ぐようにしている三人。
でも必ず駅を出ると、祭理が手を離すのだ。
「ずっと繋いでたい!」
「僕も、離したくない!」
「でも……」
(ただでさえ、羨ましがられてやっかまれてるのに、手を繋ぐなんて……)
「ん?祭理?」
「嫌?」
「え?あ、嫌じゃないよ…?」
「「じゃあ、いいよな?」」
「………」
「「な!!?」」
有無を言わせない、風龍と虎空の鋭い視線。
「………う、うん…」
臆病な祭理は、そう言わざるおえなかった。