利瀬くんの甘さに溺れたら

花梨の言う通りだ。



もし…もし仮に、利瀬くんのことを好きになってしまったら。



「…うん。ありがとう花梨。私、頑張ってみる」



その時は、利瀬くんに好きになってもらえるように頑張ろう。



どう頑張ればいいのか、まだ全然わからないけど…。



「応援してる」



こうやって話を聞いて、励ましてくれる親友がいるんだもん。



「えへへっ、うん!!」



だから絶対、傷ついても大丈夫って思えるんだ。







「「「じゃーんけーんぽんっ!」」」



チョキが六人、パーが二人。



そのパーを出したのが、私と利瀬くん。



「行ってらっしゃ〜い」



クラスメイトに見送られて、二人で教室をとぼとぼ歩く。



「えっと…どんまいだね、利瀬くん」



「…佐藤さんこそ」



衣装係の人たちでジャンケンをした結果、ジャン負けが買い出しに行くというルールの元私と利瀬くんが行くこととなってしまった。



私的には気になってる利瀬くんと二人で出かけられるわけだし、役得ではあるものの…。



「っていうか、何この量!?どう考えても二人で持てる量じゃなくない…!?」
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