利瀬くんの甘さに溺れたら
利瀬くんでいっぱい

買い出しに行ったあの日から、約二週間が過ぎた。



え、時間が経つのが早い?



……それはね、私が一番思ってるよ。



あと一週間とちょっとで、待ちに待った文化祭がやってくる。



頑張るとか言って張り切っていたくせに、進展なんて全くしてない。



私なりに頑張ってたつもりだけど、どうも空回りしてばかりだった。



次の日からいつも下ろしてた髪の毛をちょっとヘアアレンジしてみたり、花梨に教えてもらったメイクに挑戦してみたものの。



『あれ…瑠々、なんかいつもと違う…?』



『えっ…!?わ、わかる…の?』



『うん。何が違うのかわかんないけど』



『そ、そう…』



『でも…髪の毛とか可愛いよ。編み込みって言うんだっけ?いつも可愛いけど…いつもよりもっと可愛いね』



『っ…!!』



表情を一切変えずに「可愛い」とか連呼するから、逆にこっちが恥ずかしくなっちゃって。



うぅー…思い出すだけでも顔が熱い…。



利瀬くんをドキドキさせるはずが、こっちばっかりドキドキさせられてしまう始末。



その作戦は一日で終了した。
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