利瀬くんの甘さに溺れたら

「ふっ、瑠々の顔真っ赤…。それつけるの、恥ずかしい?」



「っあ、当たり前だよ!利瀬くんのばかっ!!」



「うん、ごめんね?」



「っ…」



悪気なく謝る彼のほころんだ顔を見たら、もしかすると後者なのかもしれない…なんて思ってしまう。



だって、それくらい利瀬くんがイジワルなんだもん。



好きな人に可愛いって言われたら、誰だって嬉しさと恥ずかしさでどうにかなっちゃうのに…。



「あ、もうとっちゃうの?」



「残念そうな顔しないで…!そもそもこういうのは、可愛い子がするから可愛いんだよ。私がつけても誰得?って感じで…」



「…?瑠々はもともと可愛いし、俺得だと思うけど…」



「…っ!」



次から次へと私を溶かす勢いで褒めちぎってくるから、私は可愛いの供給過多で天に召されてしまいそう。



私、もしかして今日が命日だったりするのかな…?



利瀬くんの甘さが尋常じゃなくて、くらくらしてる。



私のライフはもうとっくにゼロ。



これ以上のダメージをくらったら、どうなってしまうかわからない。



今脈を測られたら、きっとものすごい数値が出る気がする。
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