利瀬くんの甘さに溺れたら
…一目惚れだったんだと思う。
それから話しかけることも、られることも多くなって。
もしかしたらチャンスがあるかも…と、思っていた矢先。
『え?あの後輩の子と仲良さそうに見える…?あー…ほら、だってあの子、俺に惚れてんだもん。告白してきたら何でもやらせてくれそうじゃね?』
委員会の連絡を先輩の教室へしに行った時、そんな会話が聞こえてしまった。
今まで好きになった人は、なんでだか分からないけどこういう人ばっかり。
今度こそ!って、そう思って…利瀬くんに、話してたんだけど…。
利瀬くんの目が、こちらの返事を待っている。
答えないといけないのに、言葉が出てこなくて…苦しくて。
「あ…………えっと、やっぱり、諦めたんだ。私じゃ…ダメだったみたい、で…っ」
絞り出した声と共に、目からぼろぼろと雫がこぼれ落ちていく。
「っぅ…ふ、っ…」
もうやだ…っ、この間嫌って言うほど泣いたのにっ…。
利瀬くんに見苦しい姿を見せていることも相まって、羞恥心と悲しみが波となって押し寄せてくる。