利瀬くんの甘さに溺れたら
花梨はこう見えて、人にとことん優しく、気遣いができるとってもいい子。
こんな私とも仲良くしてくれて、本当に大好きな親友…のはず。
そんな親友が、私に対してかなーり呆れてるように見えるのは果たして気のせいだろうか。
「…いい?一回しか言わないから、よーく聞いて」
「は、はい…!」
花梨が急に真面目な顔をするから、なんとなく背筋が伸びる。
何言われるんだろう…?と不安に思っていたら。
「瑠々はね、可愛いの」
「う………うん?」
え、いきなりどうしたの??
頷きかけて、首をひねった。
突然の褒め言葉にどう反応すればいいのかわからない。
「たしかにバカ正直なところもし、うるさい時もあるけど…」
あれ、なんか悪口言われてる…?
「明るく笑顔で、何より優しい。…本当に、自慢の親友なんだよ」
そう言って穏やかに微笑む花梨。
心から言ってくれているということが、ひしひしと伝わった。
「花梨……」
「だから、さ。自信もってよ。傷つきたくないっていうのももちろんわかる。でも、何もしないで後悔するのは瑠々だって嫌でしょ?」