ねぇ、悪いことしよ?
しばらく無言で歩き続ける。どこに向かっているがわからないが、聞くのは違うと思う。理由はなんとなく。
俯き気味だった顔に夕日を感じてふと上げると、私は初めて来る河川敷にいた。電車は乗らなかったし、チラッと見た時計の針は、30分もたっていない。だから、たぶん学校の近くにはあるのだと思う。だが、私は見たことがなくて、全然違う世界にいると錯覚するほどに、美しかった。たぶん、この景色を私はしばらく忘れないと思う。そう思わせるほど、私には衝撃的だった。
何気ない景色とはすごいものだ。意外と、人の感動を誘うように作られて整備された景色よりも、人間の住む世界にある整備されていない景色のほうが印象に残りやすい気がする。私だけだろうか。だれか教えてほしい。
「羽奈先輩」
少し景色について考えていると、翼から声が耳朶を打った。
その声は今までにないくらい、儚くて、美しくて、とても辛そうだった。
「――なに?」
ゴクリ。二人分の唾を飲み込む音が共鳴する。
「いきなりすみません。俺、羽奈先輩のことが好きなんです。付き合いたいほどに」
「――――――――――はい?ごめん。なんて、、?」
今、私の目の前にいる後輩の男の子は何を言った?
(え?私のことを好き?そんなことありえる?ないと思うけど、、え?私の空耳?これは何?)
軽く今までの彼の行動を思い返すも、やはりわからない。そもそも、なぜに私?
「だから!俺は、羽奈先輩のことが好きなんです!二回も言わせないでっ!ください!」
いきなり顔を真っ赤にさせて言う彼の言葉を、誰が信じられるというのだろう。というか、私を好きだと仮定して、それが何で私に何かすることにつながるんだろう。本当にわからない。
私が混乱しているうちにも彼は話を続ける。ついていけない私は置いていくっぽい。
「俺は、先輩のことが、、、スキ、、、だから、先輩に笑っていてほしいと思った。それはなぜか。ある時先輩のクラスに用事があっていったとき、本を読みながら微笑んでいるのを見て、笑顔にひかれたから。でも、俺がいつも見る先輩は、いっつも寂しそうな顔をしてて、見たくなかった。だから、少しでも笑ってほしいと思った」
俯き気味だった顔に夕日を感じてふと上げると、私は初めて来る河川敷にいた。電車は乗らなかったし、チラッと見た時計の針は、30分もたっていない。だから、たぶん学校の近くにはあるのだと思う。だが、私は見たことがなくて、全然違う世界にいると錯覚するほどに、美しかった。たぶん、この景色を私はしばらく忘れないと思う。そう思わせるほど、私には衝撃的だった。
何気ない景色とはすごいものだ。意外と、人の感動を誘うように作られて整備された景色よりも、人間の住む世界にある整備されていない景色のほうが印象に残りやすい気がする。私だけだろうか。だれか教えてほしい。
「羽奈先輩」
少し景色について考えていると、翼から声が耳朶を打った。
その声は今までにないくらい、儚くて、美しくて、とても辛そうだった。
「――なに?」
ゴクリ。二人分の唾を飲み込む音が共鳴する。
「いきなりすみません。俺、羽奈先輩のことが好きなんです。付き合いたいほどに」
「――――――――――はい?ごめん。なんて、、?」
今、私の目の前にいる後輩の男の子は何を言った?
(え?私のことを好き?そんなことありえる?ないと思うけど、、え?私の空耳?これは何?)
軽く今までの彼の行動を思い返すも、やはりわからない。そもそも、なぜに私?
「だから!俺は、羽奈先輩のことが好きなんです!二回も言わせないでっ!ください!」
いきなり顔を真っ赤にさせて言う彼の言葉を、誰が信じられるというのだろう。というか、私を好きだと仮定して、それが何で私に何かすることにつながるんだろう。本当にわからない。
私が混乱しているうちにも彼は話を続ける。ついていけない私は置いていくっぽい。
「俺は、先輩のことが、、、スキ、、、だから、先輩に笑っていてほしいと思った。それはなぜか。ある時先輩のクラスに用事があっていったとき、本を読みながら微笑んでいるのを見て、笑顔にひかれたから。でも、俺がいつも見る先輩は、いっつも寂しそうな顔をしてて、見たくなかった。だから、少しでも笑ってほしいと思った」