とどまることをしらないで。

じつは









おはよう、と口パクで伝え合うふたりの男女。

片方は少し顔を赤らめている可愛らしい美少女。

もう片方は、表情が読み取れない能面だと有名なイケメン。


彼らは隣の席。


そして、そこを包む温かい雰囲気はーーー



「「「……………」」」



こう、無言でクラスメイト全員がじーっと見つめているのも、彼らは気づいてないのだろう。


かろうじて気づいているのは、永井 めるの親友、佐々木 美桜こと、“みーちゃん”のみ。


彼女がめるに、何か言いたげに言葉の間に間を置いていたのはこれが理由。


「なにが秘密だって?」とその無言には問われていた。



彼女もその美貌に誰もが惚れ惚れとし、見つめられているが、ふたり組の男女はそれとは違う意味で見つめられている。



それはもう生温かい目、呆れたような目、遠くを見るような目など、さまざま。




『『『……このふたり、付き合ってるのバレバレなんだが……』』』





そう言いたげなクラスメイトたちは、今日もふたりを温かく応援しているのであった。




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