とどまることをしらないで。
管野くんの好きなところ、そのニ。
とにかく優しい、見えないところでもちゃんとしているところ。
ほらね、今分からない子に手順を教えてあげている。
相変わらずの能面顔で、だけど。
しかもわざわざ同じ向きになって、相手のことを思いやって。
……かっこいい、な。
誰も見ていなくても、しっかり仕事を全うするところとか、ちゃんと人に注意出きるところとか。
……だめだ、いっぱい出てきてしまう。
あと、たまに見る横顔も好き。
ラインがしゅっとしていて、思わず見惚れてしまいそうになるくらい、きれいな横顔。
それに冷静な表情を付け加えれば、……もう、完璧。
「……はあ……」
どうしよう、わたしの彼氏がかっこ良すぎる。
「ーーー永井さんっ、燃えてる燃えてる……!」
「……っえ、ーーわ…っ」
「なんか炎大きくない……!?中華料理みたいになってる…!」
今は、家庭科の時間。調理実習。
ただのハンバーグを作っていたはずなのに、なぜかフライパンがゴオっと音が付きそうなくらい燃えている。
今って、チャーハンでも作ってたっけ?というくらい。
同じ班の男の子が駆け寄って焦りながら心配してくれているけど、どうやら結構やばい状況。
「ど、どうしよう…っーーあつ…っ、」