とどまることをしらないで。


ーー……


「ーーー王様だれー?」


「あ、私ー!じゃあ、二番と十番の人ずっと手つなぎで!」


「……え、俺二番。……って、男同士はないわー」



あははっ、とみんなの笑い声がクラスを埋め尽くしているなかで、わたしはひとり困惑。



……ええっ、結構ハードなものばっかり……!



なにやら、ハグとか、手を繋ぐとか、そんなことがいっぱい。


当てられたらどうしよう、ハグは女の子だったらいいけど、男の子とは無理だよ……っ!?



「……あ、私だ」



みーちゃん、王様、なんか似合う。


にやりと笑って、なぜか朝日くんとぱっちり目を合わせた。



「七番の人、今度王様の荷物持ち」


「……お前、分かってて言っただろ……」


「さあ?」



みんなノリノリで進めちゃってる……。抜けることはたぶん、できない。




幸い、まだ私の番号は呼ばれたことがない。


次に引いたあとで、なぜかみんながちら、と視線を合わせた……気がした。



……とりあえず、このまま当てられずに終われますように……!




このとっても切実なお願いは、





「……んー、……六番と九番、ハグで」



「…………、」



…………わ、たし…ろくばん、だ。




驚くほどあっさり、打ち砕かれたのでした。



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