とどまることをしらないで。
さっきよりも、ずっと優しくて……温かく。
「っ、……管野くん?」
背中に伝わる熱があつくて、心臓の音がすぐに高鳴る。
「それ」
「……え?」
「“管野くん”は……嫌」
びっくりして、ちょっとだけ目を見開いた。
だって、彼の表情が……すごくむすっとしていて、ふてくされている様だったから。
……わたしの知らない、管野くんだ。
「……えと、じゃあ管野さん?」
「なんでそうなるんだよ」
でも、それじゃあまるで。
「…“律”って呼んでよ」
「っ…」
射貫くような、甘い視線に胸がゆるく締め付けられて、息をのんだ。
……ずるい。
わたしだけ、こんなにどきどきしちゃって。
「……りつくん」
こっそり毒づきながら、初めて名前を呼んでみる。